【平成25年度 公営企業会計決算特別委員会の意見開陳】

 みんなの党Tokyoを代表して、平成25年度公営企業会計決算について意見開陳を行います。本年5月、総務大臣通知によれば平成 29 年までに全ての地方公共団体において、統一的な基準による財務書類等を作成するよう要請する予定となっています。これに向けて東京都も早急なる取り組みをしているところは評価するところであります。その上で主権者であり財政の最終的負担者も都民であることから、適切かつタイムリーな財務報告により議会や都民による監査機能が働くことが財政や経営に対する規律意識が高まると考え、パブリックアカウンタビリティを識別の上で外部・内部公監査の制度の機能強化を願うものです。そこで、平成25年度決算にあたり、全局をファイナンスの観点から横串し、現状分析と公会計導入にあたっての効果を質させていただきました。

【交通局】
初めに、交通事業会計について申し上げます。
交通事業におかれましては、トータルの累積欠損額3949億、長期債務は9569億、うち新交通事業の欠損金は117億、長期債務484億、高速電車事業の欠損金は3846億、長期債務は9085億と膨大な金額ではありますが、各赤字額は先の決算特別委員会でご答弁いただいたように減少傾向にあるとのことです。また25年度は全体で経常黒字は、約140億円を計上したということですので、これまでの実績や経験値をいかされ、経常黒字の増加と、さらなる赤字の縮減を期待するものです。

各事業については
一、状況に合わせ定数削減、あるいは監理団体を活用し、経営の効率化を図ること
一、お客様センター、職員のサービス介助士取得、東京メトロとの一体化等の事業を通じサービス向上・改善に努め、集客増を図ること。
一、東日本大震災を踏まえ、都営交通の早期復旧・終夜運転等、危機管理体制を常に見直し最適な対策を講じること
一、災害発生時は、ことに、子ども、妊産婦、障がい者等災害弱者について配慮をした避難誘導対策を講ずること
一、国際都市東京の交通機関として、対テロ対策については警察と強固な連携を図ること
一、オリンピック・パラリンピックに向けて世界へ都営交通のPRを図ること
一、運輸安全マネジメント制度に基づく内部監査を活かし、事故のない運行体制の強化を図ること
一、ドライブレコーダーを有効活用し、物件事故の再発防止策を推進すること
一、鉄道駅からの近距離通勤・通学の利便性図るアクセスライン、深夜運行などは、常に都民需要を計り是非も含めた運行系統を構築すること
一、委託事業所については、状況を見ながら今後も必要とあれば委託を推進すること。
一、高齢者から若年層までがそれぞれに活用しやすい都バス運行情報検索の利便性向上に努めること。
一、お客様、ことに、障がい者・高齢者、妊産婦への日常運行における接遇向上に努めること
一、貸し切りバスの在り方・周知方法について随時見直しや検討を重ねること
一、都電については周辺区と強固な連携を図り、観光資源としての付加価値を高めるとともに、地域住民の交通手段としての整備も図り乗員増を図ること。
一、日暮里舎人ライナーについては、今後も工夫を凝らし混雑緩和解消策に努めること。
一、ToKoPo会員数と利用実績をさらに伸ばし集客増のツールとして大いに活用すること
一、東京メトロとは時にサービス協力体制にありながらも良きライバルとしてそれぞれの個性を生かし、お客様により一層信頼・支持される都営交通をめざすこと
一、局所有の土地活用検討の一環として「駅ナカ保育」実現を推進すること
一、低迷する広告事業において都民がなかなか知ることがない都政事業の周知手段として各局と連携した広告媒体活用を図ること

【中央卸売市場会計】
営業損失を国庫交付金や一般会計補助金等の外部資金で穴埋めすることで健全経営を図っているとのご答弁ですが、一般会計の原資もまた税金であることを念頭に今後も引き続きの健全経営をお願い致します。一方先日、葛西市場まつり式典に出席、あわせて地盤沈下や雨漏りの状況、海の近くなので配管の錆びなども確認させていただきました。早め早めに対策していれば未然に老朽化を防げる手立てもあるかと存じます。市場は、税金を投入することも認められた準公共財であることは十分に承知しておりますので東京都においては頻繁に現場に足を運ばれ現状を見て、事業者の声を聞いて各種事業、経営判断に活用することを求めます。
各事業についてです。
一、仲卸の経営状況を鑑みながら、M&Aも視野に入れた経営指導など、市場原理にのっとった過不足ないサポート体制を講じること。
一、各市場への仲卸事業者の新規参入を促進すること。ことに豊洲新市場においては、新しい事業者への門戸を開き、開設時にかならず満床となるよう広く公募を呼びかけること
一、少子高齢化によるマーケット縮小、増加し続けている市場外流通を鑑み将来の統廃合をも視野に入れた選択と集中の検討にはいること
一、老朽化対策については、発生主義ではなく費用対効果を念頭に中長期的効率的な過不足ない対策を図ること

【港湾事業会計】
引き続いて、都民への適切な情報公開と説明責任による独立採算制を採用している地方公営企業の持続的な事業運営、欠損金のない健全経営の持続を期待するものです。
各事業についてです。
一、臨海副都心開発事業につき、売却、長期貸付、暫定利用と目的が違う三地区のグランドデザインの統一をはかること
一、もって、付加価値を高め民間からの投資を推進すること
一、暫定利用の土地返還については契約通り、原状回復・返還を速やかに実施すること
一、ヴィーナスフォートについては新規事業者による早急な新施設開業を進めること
一、コンテナ置き場、シャーシープール整備を実施し、トレーラーによる渋滞を解消すること
一、貯木場においては、林産品全体、原木の取扱量激減に伴い、立ち入り禁止地区の見直し、当該地域の有効活用を図ること。
一、委託契約の七割を占める報告団体・管理団体の在り方は常に検証をし、民間育成・参入を進めること。

【水道事業会計】
経営状況、バランスシートともに健全な状態であることを評価します。それゆえに先の入札汚職事件は誠に残念なことでありますことから綱紀粛正の徹底を図り、財務同様の職員の規律意識の健全性を求めるものです。
各事業です。
一、国際貢献においては、ODAと連携した国との役割分担・事業費分担を明確にうして推進すること。
一、水道水源林においては、産業労働局、環境局等関係各局と連携を図り、多摩の森林全体の取組としての管理育成にあたること。

【下水道事業会計】
 一般的に「企業債償還元金」対「減価償却費」比率が100%を超えると再投資を行うに当たって企業債等の外部資金に頼らざるを得なくなり、投資の健全性は損なわれることになると言われております。いただいたご答弁と一般的に言われていることを鑑みた場合、投資が健全になるような考え方はとっていないと解釈できなくもないのですが、下水道は汚水処理のみならず、昨今では治水、雨水対策では不可欠な事業となり需要が年々高まっていることからも、資金繰りに苦労をしながら投資をしていかねばならないことも十分理解しておるところです。決算特別委員会は、なぜ、「企業債償還元金」対「減価償却費」比率が高いのかを委員が質し理事者が説明する絶好の機会であります。都民への説明責任が、双方議論をして果たすことができましたことは評価いたしたいと考えます。資金原資は税金であることを念頭に引き続いての企業債残高の縮減を求めます。

【病院事業会計】
 病院会計の決算において、先の決算委員会では経常利益を出し経営面では安定していると評価しましたが、これは財務上において単に黒字であるということであり、財務体質に問題はないということではありません。つまり営業収益では一般会計負担金が約201億円、営業外収益では一般会計負担金と一般会計補助金をあわせて約189億円となり、一般会計からの支出額が約390億円にもなります。これを都立病院への融資と捉えた場合、事前、中間、事後の3段階でのモニタリングが必要と考えます。医療安全対策の充実強化のため、各段階におけるモニタリングの機能強化と統合、費用の節約を求めるものです。
各事業です
一、地域包括ケアシステムを鑑みた地域の関係機関との、医療・介護連携を推進すること
一、速やかな在宅医療への移行を推進すること。
一、49件の誤嚥事故にあたり、高齢者の誤嚥性肺炎は致命的となることから、防止対策の徹底を図ること。

【都市開発事業会計】
 再開事業三会計にあっては、欠損金もなく健全であったと評価します。また、再開発事業を進めるにあたり地域住民には「適正公平な補償を実施。権利者の生活再建に配慮し、移転先の斡旋や入居に係るきめ細かな相談対応など、丁寧な対応を実施」とのことで、この経験値と知見を活かし都市整備局事業の良き前例として今後の類似事業への反映・活用を臨むものです。

【総括】
さて、平成25年度決算において第1、第2分科会ともに資金不足もなく概ね良好な経営及び事業運営を行っていると思いますが、今後の社会情勢、国による財政政策もどのような効果が出るか、予測不能なことから常に財政規律を守る心構えが必要です。今後も、資金不足比率10%未満を堅持することを求め、各局におかれましては、「資金不足等解消計画」を策定による起債が行われないよう引き続き健全経営に向け努めていただきますようお願いします。
 また、健全化判断比率の算定において、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率につき調査しようとしたところ、この3つの指標に関しては財務局にて一般会計と一括算出するものなので、切り出しができないということでした。しかし、たとえば連結実質赤字比率は、赤字の大きさを財政規模に対する割合で表して、その健全度を判断するわけですから、各局ごとに、できれば把握をしたいものです。公会計が統一基準になるまでの期間に向けて財務局と連携を図られ、これらの指標が切り出せることを望むものです。

最後になりますが、公営企業とは準公共財としての側面があり、運営上において赤字部分を一般会計より負担することは公営企業法第17条にも定められているところです。が、これはあくまでも「出来る規定」であります。繰り入れ金に甘んじ、経営努力や意識が低下すれば、都民が減ることのない債務の負担者となります。そこで、官民パートナーシップ(PPP)等を積極的に採用することで公共部門の負担を減らしていく必要があると考えます。その担保として、重ねて情報公開と説明責任、モニタリング機能の強化を積極的に採り入れて、民間企業以上の効率的で効果的な健全経営を求め、みんなの党Tokyoの意見開陳を終わります。