平成25年3定上田令子討論全文

私、上田令子は、都議会会派・みんなの党を代表して、第163号議案から、第180号議案までの知事提出議案に賛成し、議員提出議案第15号議案について反対する立場から討論を行います。

まず、第168号(東京都立学校設置条例の一部を改正する条例)議案です。年々増加する、障がい児の受け入れ先の慢性的な不足に呼応し、特別支援教育の推進をはかるため、青山特別支援学校と鹿本学園を設置するということです。鹿本学園設置にともない、高等部のみとなる白鷺特別支援学校の教室不足を解消、旧赤坂高校跡地などの都有地と既存施設を活用することで、堅実に特別支援教育推進計画を実行していることの評価をし、賛成をするものです。ますます、障がいを持つ子どもと保護者たちの情報収集や相談窓口などの拠点として特別支援学校への期待も高まる中、子ども達が障がいを超えて地域で暮らし、通学するため、東京都は、都民、区市町村、各関係機関と連携をはかり、当事者と保護者に寄り添った再整備と質と定数の拡充を今後も求めるものです。

次に第169号議案(東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例)です。近年、障がい児の放課後施設でも待機児童が急増しています。受け入れ可能な全児童対象放課後事業でも、支援者の同行が義務付けられたり、他の多くの子ども達とにぎやかな環境で過ごすことが、障がい児にとっては困難であることなど保護者の悩みは尽きません。
一方、東京都も、区市町村も、障がい者・高齢者対象の施設・サービスの福祉資源は多岐にあり、対象者の垣根を超えた利用についての需要が顕在化し、高齢者だけでなく、赤ちゃんや障がい者までを預かる「富山型福祉」が注目を集めていま。この度の条例改正にともない、指定小規模多機能居宅事業所が、障がい児通所支援の選択肢となることは、保護者にとっても喜ばしいことでありますし、高齢者と障がい児がともに過ごすことの相乗効果も期待できることから、賛成をするものであります。
都においては、この条例改正につき、区市町村並びに施設長・事業者へ周知を徹底し、障がい児通所支援に向けての理解と導入をすすめることを望みます。同時に、小規模多機能居宅事業所に過度の負担を強いず、スムーズな導入支援もあわせて求めるものであります。

第171号議案から176号議案についてです。公共事業の入札については国民の注目も高まり、都においても非常に丁寧な手続きを経て契約をしていることは承知しておりますが、日本最大の自治体であり、全国47都道府県、1700余りの区市町村をリードする東京都において、業者選定の入札の基本が指名競争入札であることに、新人議員として新鮮な驚きを感じました。
今回も、適正なる手順での契約案件と理解しておりますが、一点、第173号議案都立第五商業高校の入札にあたっては、6者希望があったものの、その後入札辞退となり結果的に落札率が99%となったことについては、今後の検討課題として頂きたいことを申し添えます。また、都立学校等は防災拠点に指定される場合もあり、耐震はもちろん、避難所としての視野を持った改築・改修工事の推進を望みまして、賛成するものです。

次に、第180号議案(八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について)についてです。本議案は、国から八ツ場ダムの完成を4年延期して平成31年度とすることに対して意見照会があり、工期延長に同意するものです。これについて、猪瀬知事は今定例会の所信表明において、「前政権が一方的に本体工事を中止した八ッ場ダムが、首都圏において、治水上も利水上も不可欠であることは明らか」との旨を述べられました。同様の議案は、今月8日の群馬県議会において賛成多数により可決されていますが、賛成議員からも「地元住民をこれ以上苦しめてはならない」との意見が出た、と報じられています。地元自治体として悩ましい決断であったことがうかがえます。八ツ場ダムは、昭和27年の調査開始以来、半世紀以上を経ても完成に至っておりません。国の一方的な方針に地元自治体・住民が振り回され、生活が侵されてきた歴史であり、地元を尊重しない公共事業のあり方は問われなければなりません。国の基本計画変更案は、事業費を4600億円のままとしておりますが、さらなる事業費の増加による都民負担は回避されるよう、強く求め、意見具申に同意するものです。

最後に、議員提出議案第15号議案(東京都保育所建設用地取得費補助条例)についてです。本年6月厚労省において、地方自治体に対しできうる限りの支援策を講じる「待機児童解消加速化プラン」が示され、都においても7月に「実効性のある待機児童対策」を国に緊急要望を出したところであります。首都圏の慢性的な保育園不足は、深刻な喫緊の課題となっており、みんなの党においても女性の社会進出支援へ向けての保育園整備は、党の公約であるアジェンダにもうたっているところです。また、我々は「民でできることは民で」という結党以来の方針も持っております。民間よりも補助制度が整っている社会福祉法人格を一朝一夕には取得できない、歪んだ福祉市場が現実にある中で、保育の質の担保を大前提としながら、現代社会を生きる都民のライフスタイルに即した待機児童解消のため、積極的に株式会社やNPOなどの民間力の参入を提唱しております。確かに本議案提案理由の「保育所整備の促進を図る」という趣旨の理解はできるものの、長引く不況を脱し切れていない中、都民の税金を使い土地購入の補助を行うものであること、民間事業者を排除してその対象を区市町村と社会福祉法人に限定していることに違和感を覚えます。しかるに、この議員提出議案第15号議案には、議員提案条例を積極的に研究している提案議員のご尽力に敬意を表しつつも、反対をするものであります。

以上、みんなの党はアジェンダの党として、都政においても、みんなの幸いのため公約の実現に全力で取り組む観点から、各議案への賛否を表明いたします。