平成28年6月15日

平成28年第二回定例会 討論

 

かがやけTokyoを代表して、知事提出の全議案に賛成、議員提出議案第10号に反対の立場で、討論いたします。

 

「一志既に立ちなば、百(ひゃく)邪(じゃ)退聴(たいちょう)(ひゃくじゃたいちょう)せん」という箴言(しんげん)があります。舛添知事が敬愛されてやまない儒学者佐藤一斎先生の言葉です。「志を高くかかげ、邪念を排し、まっすぐな心で呼びかけるなら、自分の訴えは必ず都民の胸に届くはず」と出馬を決意するときに思ったと著書の中で語られておられました。ことここに至り、ようやくこの言葉通りのご決意に心より敬意を表します。あわせて知事を擁立した政党・労働団体におかれましては、ことの顛末に照らしてその責任を認識していただきたいと思います。

 

この数カ月都政の停滞を指摘されている状況のなか、平成26年度は知事不在で予算編成も行われた経緯もあり、改めまして副知事の存在意義と重要性を感じていたところです。これまでの長い都政の歴史の中で、常に知事を支え、ある時は知事の代役を勤め、常時職員機構との懸け橋となり陰に日向に職務にあたる副知事はまさに東京を世界一にする中枢神経といった存在です。石原都政においては、三人のうち一名は、幅広い視野を都政に反映するという観点から知事の特命を受けた都庁出身者以外等からの人材を登用していました。従来定数4名のところ、3人体制であったのは、自ら身を切る姿勢を示すものでした。今回これから、新知事が選ばれるということになっているので、4人採用ということは都民の付託を得た新知事による人選をする余地がないこと、すべてが都庁出身者であるので官僚依存が強まることを危惧するものです。

かような観点から、提案の各人の資質と実績は十分に認識しておりますが、知事不在となる当面の都政の混乱を避けるため安藤立美氏の留任には賛成し、他三件は反対とさせていただきます。

 

第148号議案 首都大学東京中期目標について申し上げます。この計画の策定においては、現役学生などに対する情報公開・説明のタイミングに不適切な点があったことが指摘されています。首都大学東京に求められている役割に鑑みながら、関係各所が充分に納得いく形で計画が進められていくことを要望いたします。

 

次に議員案について申し上げます。共産党提案の「東京都大学生等奨学金給付条例」についてです。OECDによれば、GDPに占める教育機関への公的支出の割合は加盟国で比較可能な30カ国中日本は、最下位であり、喫緊の対策が求められていることは、我が会派も大きな問題意識をもち私も一人の母親として学費を払えず、子ども達が進学を断念せざるをない状況は何としてでも打破すべきと考えています。ゆえに提案者の趣旨は理解するものでありますが、子どもの貧困対策解決のため文部科学省において公立高校の高等学校等就学支援金制度導入がなされたように、大学進学においても指針を示し地方自治体と共有をはかり、国で予算をつけて措置すべきものであると考えます。都が需要と対象と予算想定額を詳細に把握せずに国に先んじて独自に取組むのは、二重行政となることを危惧し、反対するものです。

 

「東京都議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区における議員の数に関する条例の数に関する条例の一部を改正する条例」三条例案について申し上げます。我が会派は、長期的には議員の多様性に配慮しつつ、「一票の格差」の解消を進めるとともに、それを弥縫策としてとどまるのではなく、定数「5人」を基本とする中選挙区制導入並びに定数の抜本的な選挙制度改革と都議会活性化について、引き続き、開かれた議論の場を継続することを求めるものです。ただ、当面の一票の格差の是正として、平成27年国勢調査に基づいた選挙管理委員会の試算に基づく6増6減案が最も現実的で合意が得られやすいものと考えます。2増2減案では、逆転区の解消にはなっておりませんので、人口に比べて定数の少ない逆転過少区の住民の意見を反映できぬことから反対します。一方「一票の格差」をみてみますと6増6減では最大格差が2.48であるのに対し、0増6減では、2.65ということで、一票格差は現状維持となりますので改善にはなっておりません。さらに6減もまた、逆転区の解消にはなりえません。つまり0増6減では「一票の格差」は放置、「逆転区の解消」もなされず到底容認できませんことから反対するものです。

 

先月21日に、小金井市でストーカーによる女性アーティスト刺傷事件が発生、本定例会中に、被害者からの相談を受けていたにも関わらず「人身安全関連事案総合対策本部」に報告がなされず、せっかく携帯電話番号を110番緊急通報登録システムに登録していたのも関わらず、現場となった小金井市のライブハウスではなく武蔵野市内の自宅へ出動してしまった等の初動の不手際が報じられておりました。これを受けて都民より、ストーカー及びSNS上の嫌がらせ対策を求める陳情5本が提出され、事態を重く見た警視庁におかれましては、警察消防委員会にて、この事案に関して詳細を検証し引き続き調査を進める旨の異例の報告が生活安全部長よりなされました。このような積極的な対応に期待するともに再発防止につながることを希望いたします。

 

最後に、我が会派は、東京都における「都市外交」政策については、厚生労働大臣を経験した国際政治学者で、6ヶ国語を操る舛添要一知事就任当初から、そのトップマネジメントのもと奇抜な外交政策を打ち出すまいか、継続して調査を進め、繰り返し疑義を質してまいりました。その象徴となりましたのが、海外出張に同行することもある、都庁最後の天下り職といわれる外務省から未だ出向をしている「儀典長」あらため「外務長」の存在でした。もう一つは、総建設費30億とも40億ともいわれる都独自の迎賓館「延遼館」の新設問題です。文化財の価値は一定理解するところですが、予算特別委員会で取り寄せた資料によれば、27年度は基本設計1億円、28年は実施設計3億円と単位も億という漠然とした金額しか示されず、杜撰な計画と思わざるを得ません。平成22年より浜離宮恩賜庭園復元計画の延長線上のもと、「東京都都市外交基本戦略」にて舛添知事の肝いり政策として突如迎賓館復元が昨年示されました。年に七回程度しか使用しない迎賓館赤坂離宮等国の既存施設との重複、すでに知事はじめ外務長らが、都市外交事業で大いに民間ホテルを活用してきたこと、都立美術館・博物館、庭園美術館、動植物園には賓客施設も整備されており、都政事業を賓客に視察していただけるという相乗効果もあります。すでに都が有する資源を活用するべきであり、都立迎賓館の新設の必要性は全く見いだせません。もし、公的な場が必要であるとすれば、せっかく外務省から出向している余人をもって代えがたいとする外務長を通じて国の迎賓施設を借りればよいのです。この度、都民の批判は、知事個人の問題だけではなく、民間交流、職員交流を軽んじて、ハコモノ・外遊トップ会談優先で無計画に推進されたパフォーマンス的「都市外交」へも及んだものでありました。かねてより申し上げております通り、外交、防衛は国の専管事項であり、都市外交というのは、国際公法上の国家間の法律関係を結ぶものでもなく、あくまで都市政策の一環としての都市間交流事業であります。基本戦略には主体的に掲げられていない、民間交流の支援促進こそ最優先とし不要不急の華美な海外出張やハコモノを今後、厳しく慎むべきではないでしょうか。このたびの知事交代を絶好の機会と捉え、今回の問題の根源となりました、都市外交戦略の抜本的なゼロベースでの見直しを求め、舛添知事の私人に戻られた今後のグローバルなご活躍をご祈念申し上げ、一日も早い都政の正常化に向け会派一同、全力を尽くして都民尾付託に応えてまいることをお約束しまして、かがやけTokyoの討論を終わります。