私は、かがやけTokyoを代表して、本特別委員会に付託された議案中、第一号議案、平成28年度東京都一般会計予算ほか知事提案にかかわる全議案に賛成する立場から、また、予算編成替えを求める動議に反対する立場から討論を行います。

 

一般会計予算が23年ぶりに7兆110億円となりました。都税収が、1,867億円増加したことから、予算増問題なしとの判断と見受けます。また、都債発行額は2割減に抑制したとのことですが、残高は未だ一般会計額に匹敵する5.9兆円もあります。さらには本年「地方法人課税の不合理な偏在是正措置」が行われ、税制改正後は3,400億円減額の影響が想定されております。都税収入は、景気変動の影響を受けやすく、極めて不安定な形で増減を繰り返しているのは、財務局も重々承知しているはずです。法的根拠があいまいだったため本予算原案には計上されていない新国立競技場の432億円の都負担分もさることながらオリンピック・パラリンピックという巨大事業の支出も確定しています。少子高齢化が世界最速に進む中、今こそ知事も懸念している将来世代への負担を鑑み、起債という借金を戒め残高を減らし、予算増には慎重になるべきではないかと調査にあたり考え、我が会派は行財政改革の観点から、厳しく精査、質疑を重ねた結果、知事提案の各議案は概ね合致するものと考えるに至りました。

 

その理由を述べます。

本予算は、「自己改革の一層の推進と財政対応力の強化」や「弾力的な財政政策を構築する」ことを基本として編成されており「自己改革」は非常に重要ととらえておるところです。

政策企画局では、都市間交流にむけて知事の外遊費、30億とも言われる延遼館等、「都市外交」の形骸化に警鐘を促し、実務レベルでの交流、協力を通じ各都市の先進事例を学び都が抱える都市問題の解決を図るということを確認いたしました。

財務局においては、再開発事業、オリパラによる無償貸与などにより、都民のものである都有財産が毀損されることがないよう、適正管理と説明責任を果たすとのことです。

会計管理局では、官民連携ファンドにおいて投融資、資金回収状況について都民の理解をえることを重要視し情報提供に努めるとのことです。

総務局では、市町村総合交付金等、三多摩格差是正に向けた取組を実施。地震・水害等あらゆる災害に対する備蓄の見直しなど図られています。また、都職員の不祥事が相次ぐなか、規範意識と使命感、気概を高める組織風土を醸成していくとのことです。

オリンピック・パラリンピック関係では、新国立競技場の負担変動について、突発的な変更による整備費の増加が起きた際も、新たな負担を生じさせないとのことです。すべての施設にもそうあるよう求めます。

都市整備局では、木造住宅密集地域対策8、市街地再開発事業等において、地域住民の理解を得ながら実施してきたこれまでの知見を活かし、さまざまな都市づくりの課題の解決に生されています。

環境局では、中小ガソリンスタンドへの水素ステーション導入支援、スマートエネルギー化推進により、低炭素社会実現に向け、時代に先駆けた整備を進めています。

福祉保健局では、子どもの貧困対策の一環として居場所創設事業を新設、東京都版ネウボラともいえる「ゆりかご・とうきょう事業」を実施、社会的養護については養育家庭・里親支援等家庭養護の推進を図っています。また、知事公約の4年以内の待機児童ゼロ対策については、引き続き受け皿を拡充するための区市町村支援、保育所開設準備補助、保育人材確保等、国会において今更ながら保育園待機児童問題がクローズアップされているなか、国に先がけて認証保育所事業を開始してきた都として機動的な子育て環境充実の施策を掲げています。引き続いての推進を求めます。

介護では、本年度から開始された地域包括ケアシステムにおいて、区市町村と連携をはかり、地域包括支援センター機能強化、障がい者についても地域で安心して暮らしていくための移行支援を推進しています。

医療では、地域包括ケアとは切り離せない在宅医療の充実、医療人材の確保、救急医療部隊を創設し住民需要に応える取組みを盛り込んでいます。一方、誠に遺憾なことに、私の総括質疑において都立小児医療総合センター顧問が、製薬会社から合計700万円もの報酬を得ていたにも関わらず自己申告書を提出せず、利益相反手順違反をおかしていたことが明らかになりました。

病院経営本部において、今後、雇用の継続はしないということですが、自治体医療を揺るがす重大な問題と考えます。再発防止にむけ、患者、ことに子ども達の人権最優先に抜本的な自己改革を強く求めるものです。

産業労働局では、若年層と女性の雇用促進を促すため女性しごと応援テラス等具体的な事業を展開。中小企業支援については、外資系企業がシェアを広げている医療機器産業へ助成をはかっていることは注目に値します。ただし中小企業融資については倒産リスクを踏まえ細心の留意をもって欠損が生じぬよう務めることを求めます。

建設局では、上野文化の杜構想に象徴される、都民に愛され観光資源ともなる個性あふれる都立公園整備、大震災の教訓を踏まえた緊急輸送道路、特定整備路線や流域、河川の特性を踏まえた整備を推進しています。江戸情緒を取り戻す、民間の活力を積極的に引き出した、水辺のにぎわいのさらなる活性化に期待をいたします。一方、延遼館修復にはニーズを鑑み、慎重な対応を求めます。

港湾局では、水の都の再生をめざす、舟運活性化の一環として、小回りの効く水上タクシーと船着場の整備を図る一方で、国際観光拠点に向けて新客船埠頭にむけて本格的な整備に着手しています。外国人観光客の受け入れ環境の充実の一環として、迅速な出入国手続整備にむけた関係機関との連携を求めるものです。

教育庁です。今年度より、知事参加のもと総合教育会議が開催、教育施策大綱が策定されました。都民、ことに子ども・保護者の声を聴きつつ、足らざるは補い、推進を求めます。また、28年度までの特別支援教育推進計画に基づき、一人ひとりの力を最大限に伸ばし、自立と社会参加を促進し、共生社会の実現に向けたユニバーサルデザインの考え方に基づく、障害のある子供にわかりやすい指導の充実や教育環境の整備、パラリンピックへ向けた障害者スポーツ、芸術文化活動の推進を求めます。さらに、体育的活動における安全対策検討委員会より先週報告が出ました。体罰ガイドライン、学校保健安全法とともに、子どもの命と心身の健康が、自殺、事故、イジメ等あらゆる形で奪われることのない公教育現場としての着実な実施を求めます。

 

財政状況ですが、都債残高・公債費負担比率ともに減少傾向にあることは評価できますが、膨らみ続ける福祉費や老朽化した資産のインフラ整備・更新は、やがて財政を圧迫していきます。保育園待機児童、子どもの貧困、教育、医療・介護、防災対策等都の抱える課題が山積している税収増の今こそ、石原都政時代に実施・推進した「財政再建推進プラン」の理念と、バランスシートを活用しマクロからミクロまで全庁を網羅したストックの全体像を把握すべきと考えます。平成13年に陥った都債依存を繰り返さぬよう、我が会派は財政健全化に向けた条例を都においても制定すべきと、指摘いたします。

 

最後に課題を2点申し上げます。

一つ目は、各事業における費用対効果、実態を把握していただきたいということです。今回の予算調査における資料請求にあたり、「把握していないから存在してない」という資料が少なからずございました。ことに都民のものである都有財産の全庁・各局に渡るストックの把握は当然です。

二つ目は、都庁における、コンプライアンスの徹底です。都民生活に欠かせない各種事業提供に次ぐ重要な責務は、都政全事業を法に従って公権力を行使し管理監督を徹底していくということであります。ことに都民、生き物にかかる命や人権に関することに関しては、都民から苦情、公益通報、マスメディア等から先に問題提起を起こされる前に、税金を払うことで都民が都に託した公権力の行使を、機動的に行うべきではないでしょうか?監理監督業務において、厳峻な対策を講じる日常的な体制を求めます。

 

終わりに、知事はじめ理事者・職員におかれては、自覚と奮起を期待すると同時に、イデオロギー・プロパガンダ・政局に煩わされることなく、粛々と都民の生活と財源を守り、日常業務に当たられ、以上の指摘事項を真摯に受け止めていただくよう強く要望し知事提案への賛成討論を終わります。

ありがとうございました。