私、上田令子は、都議会会派・かがやけTokyoを代表して、都民の自由と幸福を増進するため、舛添知事提出のすべての議案に賛成し、議員提出議案第22号議案について反対する立場から討論を行います。

 

先の総選挙を経て、小さい政府を目指し、行財政改革・規制緩和を断行する第三極が事実上消滅した国政状況において消費増税並びに延期に伴う影響については都民生活と都の財政を直撃することとなり、都議会議員として、都民として、国民としてこれまで以上に政府による経済・金融政策に注視、監視をする必要性を痛感するものであります。と申しますのは、去る11月17日、内閣府が発表した本年7月、9月期のGDP速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減となり、民間エコノミストの予想の中央値である前期比年率2.0%増とされていたものの、それさえも大幅に下回る2期連続のマイナス成長となってしまったためです。

さらに、国民の実感に近い名目ベースでみると、名目GDPは前期比0.8%減、年率換算で3%減と、4月、6月期に比べてマイナス幅が拡大、経済の落ち込みは7月、9月期の方がより大きいと受け止められております。特に民間給与の実態と国民の収入の動きを示す雇用者報酬は、勧告のもとになる名目ベースでは前年同期比2.6%増と17年ぶりの高い伸びに見えるものの、消費増税と円安などによる物価上昇で、実質では前年同期比0.6%減になりました。物価動向を総合的に示すGDPデフレーターは前年同期比2.1%上昇しています。実質的な手取り収入は民間の多くでは抑制され、消費増税、物価上昇と相まって、個人消費の足取りを鈍化し、国民生活を直撃している実態が読み取れます。

 

このような家計の実態にもかかわらず、人事委員会勧告に基づいて事実上本給15年ぶりとなります職員給与の賃上げとなる第186号議案「職員の給与に関する条例の一部を改正する条例」が本会議初日に上程され、我が会派は反対をするも4人を除く賛成多数で中途議決がなされていまいました。

その直前に開催された総務委員会にて、中小零細企業が99%と言われる日本の企業において、「企業規模50人以上、かつ事業所規模50人以上」の給与支給金額に基づいて民間格差を勘案、その賃上げによる東京都の支出額は226億円との報告を受けていたことから、前述したように国民生活・都民感情との乖離は否めず、かがやけTokyoは反対をしたものであります。一方、名古屋市では、市長が勧告を拒否、給与体系を目指すことを表明したことを受け、都人勧を知事、都議会が拒否した場合はどうするか問うたところ人事委員会がとり得る対応について「都知事及び議会が判断」との答弁が明示されたことから、知事、議会においては人漢に唯々諾々と従うのではなく、都民の代表として拒否もしえるということが総務委員会の質疑においても確認ができました。今後も厳しく給与についてはお手盛りと見られぬよう議会において厳しく精査し、判断をしていきたいと考えております。合わせて各種手当てにおいては、不断の見直しを行うとのことですので、この点も監視してまいります。このような観点に基づいて各議案の審査をいたしました。

我が会派は、職員給与の引き上げに関する議案に反対をしていたことから第191号議案「職員の退職手当に関する条例の一部を改正する条例」については、給料月額と地域手当との配分変更を契機として、在職中の職責反映度合いをさらに高める観点から、現行水準の範囲内で、退職手当の調整額単価を1,000円から1,075円に改定するものであり、もって退職手当総額の増額がないことを確認し、賛成をするものであります。

 

199号議案「職員の配偶者同行休業等に関する条例」は、「国家公務員の継続的な勤務を促進するため休業制度」が創設されることに伴い地公法が改正されたことによる制定です。オリンピックパラリンピックを踏まえた知事陣頭指揮による「都市外交基本戦略」では「研修や海外派遣を通じ職員の人材育成を強化、グローバル人災を配置する体制をとっていく」との方針が示されたところであることからもまさにタイムリーな新設条例といえます。こうしたルールが一つ一つ構築されることでまず公務員がワークライフバランスを実現し、ひいては民間企業へもこの概念が波及・定着していくことを期待するものです。

 

指定管理者の指定についての各議案ですが、この制度は競争原理を働かせつつ、民間事業者の手法を活用することにより、サービスの向上や経費の削減を図ることが主な狙いとしております。福祉事業についてはその特殊性から、コンペティションを行わずに特定業者の指定になることも理解できますが、委託する行政と事業者の側には常に一定の緊張感が保たれていなければなりません。今回、わが会派が主要政策課題として取り組んでおります児童養護施設の指定管理者の更新にあたりまして、そのすべてが東京都社会福祉事業団を指定管理者候補となったことをふまえ厚生委員会で質しましたところ、平成12年度から受託している実績、指定管理者評価制度による評価をもって適正管理をしていることは確認できましが、事業の特殊性や安定性・継続性の観点から特命による指定を続けることは理解するものの、これがサービスの低下や惰性的な運営を招かないように細心の注意を払い、選定委員会とともに厳しい査定を行うとともに、事業者と連携して未来ある要保護児童・生徒に、あまねくより良い社会的養護の環境が保障されるよう強く要望するものです。

 

平成26年度東京都一般会計補正予算第3号ですが、衆議院議員選挙及び最高裁裁判所裁判官国民審査により、63億円計上されました。日本全体で約660億円ということですから約一割が東京都で支出されるということです。国庫負担であることは承知しており、東京都において「区市町村交付金」として補正予算で計上されておりますが、万一不足が生じた場合、東京都といえども特別区・市部と財政状況には格差が見られる中、国政選挙のために区市町村の持ち出しがあっては予算編成を控え影響も大きいことから総務委員会にて確認をしましたところ「基準法によれば、避けることのできない事故その他特別の事情により、法に基づく基準額では不足すると認められる場合に一定の範囲内で追加交付が可能と規定」という答弁を得ましたことから、賛成をするものです。

 

最後になりますが、議員提出議案第22号です。学習院大学の鈴木亘教授によれば、世代間損得勘定において、1940年生まれは自分が払った金額よりプラス3,090万円もらえるのに対し、2010年生まれはマイナス2,840万円とされ、1940年生まれと2010年生まれの差は5,930万円となることが資産として指摘されております。若い世代に今後大きな負担を強いることとなり世代間の不公平感・不信感が拡大することが危惧されます。このような公平感・不信感は、社会保障政策の根幹を揺るがしつつあります。一方、低所得者への支援は別途、選択と集中により展開すべきです。社会保障費の自然増は一兆円となり政府においても見直しが迫られる中、一律に「医療費の負担を後期医療被保険者の負担割合と同じになるよう差額を都が補助すること」については理解しがたく、提案議員のご苦労に敬意を表しつつ、反対をするものであります。

 

以上、各指摘については、理事者におかれては、真摯かつ誠実に受け止めて頂くよう強く要望し、本定例会に提案された各議への討論を終わります。

 

ありがとうございました。