平成25年3定両角みのる一般質問全文

〇議長(吉野利明君)  七十五番両角みのる君。
〔七十五番両角みのる君登壇〕
〔議長退席、副議長着席〕

〇七十五番(両角みのる君) 去る九月七日、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピック東京招致が決定し、東京、そして日本の歴史に新たな一ページが刻まれることとなりました。
スポーツを通じ、世代を超えて大きな夢を追うことのできる幸せを感じるとともに、日本経済再生に向けても大きな期待が寄せられているところです。私たちも、東京大会が成功するよう、精いっぱい力を尽くしてまいります。
一方で、五輪開催を当て込んだ不要不急のインフラ整備や、無駄な便乗投資はしっかりとチェックをしていく必要があります。知事も先般、オリンピックだといって、あれもこれもやりたいといろいろ便乗が出てくる、そうしたことが横行しやすいと発言をされ、一気に交通インフラ整備を進めようとする動きにくぎを刺したと伝えられております。
私たちみんなの党は、こうした知事の姿勢に賛意を示し、不要不急の便乗投資にはノーと、しっかり知事をバックアップしていくことをお誓い申し上げます。
ところで、二度目の東京五輪開催とはいえ、一九六四年大会当時とは、状況は大きく変わっています。
前回、東京五輪は、戦災から復興した日本の姿を全世界に示しました。今、我が国は、人口減少と経済の低成長のもと、財政は痛み、高齢化が急激に進行しています。
そこで、成熟した都市となった東京で開催される二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックはどのような大会であるべきか、知事の見解を伺います。
さて、ブエノスアイレスのIOC総会での東京のプレゼンテーションは、感動的なものでありました。プレゼンを通じ、日本は本当にすばらしい国だと再認識し、スポーツの持つ力に励まされた佐藤真海さんの訴えに、世界の人々が心動かされました。
そして、もう一つ、招致を決定づけた要因といわれているのが、福島第一原発の汚染水漏えいに関しての安倍総理の発言でした。
しかし、汚染水の影響は港湾内に完全にブロックされている、状況はコントロールされており、現在も将来も全く問題ないといい切る発言には、正直、驚きと違和感を持ちました。汚染水問題は、現実にはとても制御されているような状況ではありません。
しかし、見方を変えれば、これは日本国首相の決意表明であり、原発事故、汚染水対策に国を挙げて全力で取り組み、解決することを国際的に約束したということでもあります。
そして、この汚染水対策を含め、原発事故の処理をなし遂げることなくして、オリンピックの成功も、日本の将来も見通せないということであります。
私たちみんなの党は、東京から原発依存ゼロを合い言葉に、発送電分離を柱とする電力改革と、クリーンエネルギー活用による低炭素都市実現を訴えてまいりました。
都では、猪瀬知事の強力なリーダーシップのもと、電力のシステム改革と低炭素都市東京の実現に向けた取り組みがなされ、本年四月には、エネルギーに関する専管組織として都市エネルギー部が設置をされました。
そこで、電力システム改革と再生エネルギー政策に関して伺います。
まず、電力システム改革についてですが、本来、このテーマは国が主体的に取り組むべきものであると思います。しかしながら、東京は電力の大消費地であり、大口の電力需要家であり、東電の大株主でもあります。
こうしたことを踏まえれば、エネルギー政策は国の政策分野であると傍観するのではなく、都も積極的に取り組んでいくべきと考えますが、電力システム改革に関する知事の所見を伺います。
国は、二〇一六年を目途に、電気の小売業への参入全面自由化を目指しています。しかし、現時点で新電力のシェアは四%程度と極めて小さなものにとどまっている状況です。
このような状況を見たとき、新電力育成に向け、都が率先すべきと思いますが、見解を求めます。
次に、再生エネルギーに関して伺います。
二〇二〇年五輪東京招致決定後、安倍総理は、原発への依存度を低下させ、再生エネルギーの利活用を促進していく方向を打ち出しました。こうした発言を受け、再生エネルギーの研究開発、利活用が大きく進んでいくことが期待されます。
都では、これまでも地域分散型の発電に向けた取り組みを進めていますが、再生エネルギーをめぐる機運の盛り上がりを踏まえて、その利用促進をさらに加速し、地域特性に応じた取り組みを一層進めていくべきと思いますが、都の所見を求めます。
次に、行政改革に関し、外郭団体について伺います。
東京都の外郭団体は、平成十三年以降、各団体への都の出資や人的支援の状況から、監理団体、報告団体という分類が行われています。
現在、三十三ある監理団体に関しては、総務局が全庁的に指導監督していく。五十ある報告団体は、所管局ごとの指導監督を基本としながら、総務局が報告を徴する。その他団体は、各局対応とし、原則、総務局は関与しないというものです。
こうした中、近年の議会では、外郭団体イコール監理団体という図式で、主に監理団体を俎上にのせた議論が行われてきています。こうした状況を前に、私はどうしても木を見て森を見ずというふうに感じてしまいます。
例えば、毎年度実施される都の財政援助団体等に関する監査報告書の対象は、地域団体等を含め四千以上ありますが、これらに含まれる多くの団体の状況はブラックボックスとなっており、その全体像はほとんどわかりません。
巨大自治体東京都において、外郭団体の問題を根源的に考えようと思えば、全体像を捉えること、すなわち、監理団体や報告団体以外の団体の実像を網羅して、誰もがわかりやすい線引きをして示すことからスタートすべきではないでしょうか。
そこで、一度、全庁横断的に外郭団体の全体像を把握し、その実態を踏まえて、再度そのあり方を議論、整理すべき時期に来ていると考えますが、都の所見を伺います。
ところで、監理団体については、多数の都職員が恒常的に定数外で派遣をされているなど、今なお課題もあると認識をしておりますが、役員の退職金の全廃、都職員の再就職状況の情報公開などの改革が断続的になされており、一定の評価をするところであります。
一方で、個々の監理団体に関していえば、社会情勢が大きく変化する中、例えば東京水道サービス株式会社や東京都下水道サービス株式会社などは、蓄積をした高い技術水準とノウハウを生かし、ニーズが高まる途上国での水関連インフラの整備と管理を一元的に行うことなど、今後の展開に新たな可能性も感じます。
そこで、個別の監理団体のあり方について、設立時の各団体のミッションだけでなく、現時の状況に応じた今日的な観点から、再度その存在意義を見直すべきと考えますが、見解を伺います。
最後に、多摩振興に関して質問いたします。
今月二十八日には、スポーツ祭東京二〇一三、いわゆる多摩国体が開幕いたします。また、ことしは多摩地域が東京府に移管されて百二十年目、まさに本年は多摩にとって節目の年であります。
こうした中、都では、二〇三〇年を目途に多摩地域の将来像を描いた、新たな多摩のビジョンを策定いたしました。今、この将来像をどう具現化していくか、スケジュールや方法を決めていく段階に入ったものと思いますが、今回の計画は、民間企業やNPOなどの多様な主体の活動指針となることを目指しています。
そこで、都では、企業やNPOなどの各主体との連携、さらには全庁横断的な体制など、この将来像を具現化するためにどのように取り組まれるつもりか、今後の展開とあわせ、お聞かせを願います。
新たな多摩のビジョンは、多摩地域において、エネルギーの地産地消を推進し、災害に強い安全なまちとしていくとうたっています。
ところで、多摩の人口は区部に先駆けて減少局面に入り、大規模工場の撤退が相次ぐなど、大きな局面転換期にあるというのが、この計画策定の問題意識と背景でもあります。まさに多摩地域をめぐる状況は大きく変わりつつあります。
こうした中にあって、多摩地域は、大規模な空地があり、森林や水などの自然資源にも恵まれ、大学等多数の研究機関が立地し、高等教育を受けた多くの人々が暮らす人的資源にも満ちたエリアです。
今般示された低炭素で自立分散型エネルギーのまちづくりというコンセプトは、安心・安全や環境に優しいまちに資するだけではなく、地域振興の視点からも、より大きな可能性を有しているのではないかと私は思います。
そこで、私は、自然資源と人に恵まれた多摩が、新エネルギーの研究開発からエネルギーの地産地消までを展開する日本における先進地域となり、次の世代の多摩地域に新たな産業と雇用が生み出されることを期待しています。
そこで、多摩新時代をつくり上げていくために、ぜひとも多摩の各地域の特性を生かした自立分散型エネルギーのまちづくりを、早期具現化を強力に推し進めていただきたいと思いますが、都の所見を伺い、一般質問を終わります。(拍手)
〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 両角みのる議員の一般質問にお答えします。
オリンピック・パラリンピックについてでありますが、東京が世界のフロントランナーとなった今、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックは、成熟して洗練された都市にふさわしい大会にしなければいけません。
ご質問の中で、交通インフラ整備の話が出てきましたが、必要なものは整備しながら、既存のものを最大限に活用していく。また、大会開催を機にバリアフリー化を徹底していきます。
また、競技施設の面では、日本武道館や、いわゆる代々木体育館など、前回の一九六四年大会の競技施設を利用し、レガシーを生かします。
その一方で、新たに整備する施設については、最先端の技術を活用することで、これからのモデルとなる大会にしていきたいと思っております。
同時に、都市の歴史と伝統というものも大切にしていきたい。招致活動の一環で、帝政ロシアの首都サンクトペテルブルクを訪問しましたが、歴史と伝統ある都市のすばらしさを実感いたしました。
東京にも、江戸からの伝統、江戸城であった皇居、小石川後楽園のような大名庭園、古くからの神社仏閣などがある一方で、その周りには近代的な高層ビルがあり、旺盛な経済活動が行われています。そこには伝統とモダンが入りまじり、共存している東京ならではの魅力があります。
そして、時間に正確な鉄道のダイヤにも代表されるような人々のきちょうめんさ、あるいは、東京マラソンでボランティアの方々が見せた、スタートで預けた荷物が一つも間違えずにゴールに届くホスピタリティーなど、東京の持つ魅力、力をまず我々自身が意識化して、自信を回復することが必要であります。
そして、これからの七年間、東京のすばらしさを東京を訪れる全ての人々に知ってもらえるよう、アピールしていきたいと思っております。
成熟都市東京の魅力を結集して、二〇二〇年大会成功の原動力にしていきたいと思います。都民、国民の皆様のご協力をお願いいたします。
電力システム改革についてでありますが、東日本大震災によって露呈した電力供給体制の脆弱性を克服するため、東京都はこれまで、電力システム改革に向けたさまざまな取り組みを行ってきました。
東京電力に対しては、昨年の株主提案で構造改革を求め、その結果、発送電分離の先駆けとして、社内カンパニー制がことし四月から導入されました。
また、地域独占体制を見直し、電力市場への多様な主体の参入を図るため、新電力と域外供給を合わせて、シェア三〇%を目指すように政府に求め、東京都としても率先的な取り組みを進めてきました。
具体的には、東京都施設での新電力の導入や複数契約の実施を進め、新電力の参入機会を拡大してきました。
あわせて、新電力の供給力確保のため、都営の水力発電の新電力への売電、そして常時バックアップの拡大を実現してきました。
さらには、電力会社が地域を超えて互いに競争して、競い合うような働きかけをした結果、中部電力がグループ会社を通じて東電管内で電力を供給することとなり、東京都の施設が、その事実上の域外供給の第一号として契約しました。
今後も電力システム改革に向けて、具体的かつ現実的な取り組みを進めていきます。
なお、その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) 二点のご質問にお答えいたします。
まず、新電力育成に向けた都の取り組みについてでございますが、都はこれまで、都立中央図書館で自治体として初めて電力の複数契約を導入するなど、新電力の参入機会の拡大に向け、先駆的な取り組みを実施してまいりました。
今年度当初には、都施設における新電力の導入を三百五十施設、契約電力十万キロワットとする目標を掲げ、このため、供給開始時期について、新電力の供給力の状況を考慮するとともに、電力規模も新電力が参入しやすいようグループ化するなど、入札方法にも工夫を凝らしてまいりました。
その結果、本年十一月の時点で合計三百三十七施設、九万九千キロワットが新電力から供給を受けることとなり、目標をほぼ達成しております。
今後とも、都として新電力の育成に向けた取り組みを推進してまいります。
次に、再生可能エネルギーの普及促進についてでございますが、都は、建築物が集積する東京の特性を踏まえ、太陽エネルギー普及拡大のためのさまざまな施策を展開しております。
太陽光発電につきましては、住宅用のさらなる普及促進に資する屋根ぢからプロジェクトを実施するとともに、太陽光発電に比べ普及が進んでいない太陽熱利用につきましては、住宅供給事業者向けの補助事業を実施しております。
これらの取り組みは、再生可能エネルギー普及策のモデルとなるものであり、都は引き続き、東京にふさわしい都市型の再生可能エネルギーの普及を進めてまいります。
また、多摩地域において、都はこれまで、市町村におけるバイオマス利用の導入を支援してきており、引き続き、地域特性を生かした再生可能エネルギーの利用促進に向け、検討を行ってまいります。
〔総務局長中西充君登壇〕

〇総務局長(中西充君) 四点のご質問にお答えいたします。
まず、外郭団体のあり方についてでございますが、外郭団体は都が出資などを行っている外部の団体であり、幅広い分野で都政の補完、支援の役割を担っております。
都では全ての外郭団体について、基本的には所管局が出資者等の立場から、その責任において適切に関与をしております。
一方、一定以上、都政と関連性の深い団体を監理団体及び報告団体に区分し、そのうち監理団体については、東京都監理団体指導監督要綱などに基づき、全庁的な指導監督を行っております。
加えまして、地方自治法に基づいた監査委員による監査や、外部の専門家による包括外部監査制度等を活用し、都施策と関連のある団体事業の検証を行っております。
こうした取り組みを通じて、今後も都と外郭団体の関係を適切なものとしてまいります。
次に、監理団体の存在意義の見直しについてでございますが、監理団体の存在意義や事業内容については、社会経済状況の変化などに応じて、不断の検証が必要でございます。都では東京都監理団体活用方針を策定し、都と監理団体、民間の役割分担や、個々の監理団体の業務について改めて検証し、その存在意義を明らかにいたしました。
また、毎年度実施いたします経営目標の達成度評価などを活用し、経営基盤の強化や自律的経営の促進などに努めてまいりました。
今後とも、こうした取り組みにより、監理団体の存在意義や担うべき業務について、適時適切に見直しを行い、監理団体の強みを最大限に引き出しながら、都政を支える重要なパートナーとして活用してまいります。
次に、新たな多摩のビジョンの具現化についてでございます。
ビジョンの具現化に際しては、都はもとより、市町村や民間などの多様な主体の総力を結集する必要がございます。
このため、まず都みずからの全庁的な推進体制の強化に向けて、本年六月に多摩島しょ振興推進本部のもとに、ビジョン事業化検討会を設置し、実務レベルで現場に根差した具体的な取り組みを検討していくことといたしました。
また、七月には市町村、民間団体、学識経験者を交えたビジョン連携推進会議を立ち上げました。既に金融機関や開発事業者との意見交換を実施しており、今後も多摩地域における事業上の課題などについて、関係機関で共通認識を醸成してまいります。
こうした体制のもと、都の取り組みに加えて、市町村や民間などの先進的な取り組みも盛り込んで、今後三カ年を見据えた新たな多摩のビジョン行動戦略を年度内に取りまとめ、多摩地域の振興を推進してまいります。
最後に、多摩地域における自立分散型エネルギーのまちづくりについてでございますが、新たな多摩のビジョンでは、災害時におけるバックアップや地域資源を活用した低炭素化など、エネルギー施策の重要性を踏まえて、自立分散型エネルギーのまちづくりを今後の施策の方向性として位置づけました。
多摩地域では、公共施設の屋根貸しや森林資源を生かした木質バイオマスのエネルギー利用など、特色ある取り組みも行われており、こうした多様な地域資源を生かした取り組みを一層推進することが必要です。
このため、市町村との意見交換やビジョン連携推進会議における議論などを通じて、地域の実情や課題を把握した上で、ビジョンで示した方向性に沿って、行動戦略に盛り込む具体的な内容を検討してまいります。

〇副議長(藤井一君)  二十八番田中朝子さん。
〔二十八番田中朝子君登壇〕

〇二十八番(田中朝子君) ついに東京が二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの開催地に決定いたしました。長きにわたりオリンピック招致にかかわってこられた関係者の皆様、都知事初め、都庁の皆様、また、都議会の諸先輩議員の皆様のご努力には、都民、国民の一人として最大の敬意と心よりの感謝を申し上げます。
前回、一九六四年の東京オリンピックがそうであったように、オリンピックは単なるスポーツの祭典にとどまらず、その国の都市の転換点ともなる巨大なイベントです。七年後の開催を東京、また日本の未来を考える契機にしなければなりません。
オリンピック・パラリンピック開催時には、世界中から多くの人が集まり、東京や日本が今に増して国際都市となるチャンスとなりますが、これを一過性のものにしてはいけません。人が集まる都市は活気にあふれ、発展を続けることができます。そして、国際競争力の向上にもつながり、将来の東京が発展するための大きな力になるのです。
オリンピック・パラリンピックを契機として、国際性を高め、世界中からたくさんの人が集まるような都市へと東京を変えていくべきだと考えますが、初めに、知事のご見解を伺います。
次は、予算についてです。
東京都は、競技場や施設の整備の総工費を四千五百五十四億円と試算しており、そのうち都の負担額は千五百三十八億円とのこと。都には四千億円のオリンピック準備基金があることから、今のところ資金には余裕があるように思われます。
しかし、その施設整備の課題になりそうなのが、資材価格や人手不足によるコスト高です。実際、オリンピック施設建設にコスト高は早くも影響を及ぼしており、一般競争入札したオリンピックの競技会場になる武蔵野の森総合スポーツ施設新築工事は、この七月、いずれも参加者全てが辞退し、不調となっています。公告から開札までの四カ月間に資材価格や労務単価の著しい高騰があり、当初の予定価格では合わなくなってしまったことが不調の理由と所管からお聞きしました。
また、昨年開催されたロンドン・オリンピックも、当初三十億ポンドだった予算が、たった一年ほどで九十三億ポンド、約二兆円強です、と三倍にまで膨れ上がっており、これらのことから考えると、東京オリンピック関連の予算が大幅にふえることも予想されます。
今のところ四千億円の基金の使い道は施設整備だけでなく、インフラ整備にも使われる可能性があり、具体的に何に使われるかはまだ決まっていないとのことですが、余裕があるからこの際何でもつくってしまおうというわけにもいきません。
国は、国立の施設建設にも都の協力をといっていると漏れ聞こえてきますが、それであるなら、知事の所信表明にもあるとおり、消費税増税も控え、東京へオリンピック招致が決まったこの際、まずは地域主権の考え方に著しく反している地方法人特別税を本来の都の法人事業税に戻すべきではないでしょうか。
平成二十年に地方法人特別税に変わって五年半での都の減収額は八千億円にも上り、今後オリンピックまでの七年間では、この一・五倍近くの減収になるのは明らかです。
備えあれば憂いなし。開催地である東京都が責任を持って二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックのさまざまな準備ができるようにするためにも、地方法人特別税を本来の都の法人事業税に戻すよう、今こそ強く国に要望すべきと考えますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。
次に、国民の参加について伺います。
今回の東京オリンピック招致に成功したのは、多くの都民、国民の皆様の大きな支持があったからにほかなりません。開催が近くなれば、ボランティアの皆さんが具体的な参加もできるようになるとは思いますが、開催までの七年の間、都民、国民の期待を途切れさせてはいけません。そのために、皆さんが今から七年後のオリンピックへの参加意識が持てる仕組みをつくってはいかがでしょうか。
例えば、好きな競技が行われる施設を選び、その整備に都民、国民の皆さんが寄附できるようにするのはどうでしょう。もちろん寄附控除もできる仕組みをつくり、選んだ施設が完成した暁には、寄附者名をプレートに刻むようにすれば、都民や国民の皆さんの参加意識が高まり、将来大きな記念になるのではないでしょうか。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックは、都民、国民の参加型の大会にすることが成功への大きな鍵の一つになると考えます。二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックへの寄附に関してのお考えを伺います。
次に、開催時期についてお伺いします。
二〇二〇年東京オリンピックの開催日程は七月二十四日から八月九日、パラリンピックは八月二十五日から九月六日となっており、真夏の一番暑い時期の開催です。招致委員会がIOCに提出した立候補ファイルによると、この時期の天候は晴れることが多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候であるとありますが、ことしの東京の夏の猛暑やゲリラ豪雨の多さを考えると、決してこのとおりでないことは誰もが感じるところです。
一九六四年大会のときは、開会式が十月十日、東京の平均気温は十六・一度。しかし、ことしの八月上旬は平均気温二十九度、最高気温は三十八度を記録しています。
また、ことしは七月下旬から八月上旬に都内各地で七十回以上のゲリラ豪雨を観測していますが、オリンピック開催期間中に同じような天候になれば、新幹線や都内交通機関の乱れ、また、都市型水害等も大きく懸念されます。真夏の日本の開催は、出場するアスリートの皆さんにも過酷な大会になるだけでなく、二〇二〇年には都民の四人に一人が高齢者となる、応援に来られる観客のリスクも高まり、大いに心配するところです。
気候のよい秋の開催だった一九六四年の東京オリンピックと比べると、猛暑、ゲリラ豪雨、落雷による停電対策など、真夏特有の気候の問題は非常に大きな課題となるのではないでしょうか。
そこで伺います。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時期は、なぜこの真夏の時期に決められているのでしょうか。同じく真夏が暑い一九八八年開催のソウル・オリンピックでは、開催時期を九月中旬から十月上旬にまでずらしていますし、二〇〇〇年のシドニー・オリンピックも同じく九月から十月にかけての開催でした。必要ならば、まずはIOCに対し開催時期の交渉を粘り強くしていくことも必要と考えますが、ご所見を伺います。
また、このように二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時期を気候的に厳しい条件の真夏の期間とするのであれば、どのような対応を考えているのかをあわせて伺います。
最後に、電力エネルギー政策について伺います。
二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催を踏まえ、都にはエネルギーの安定供給に向けた新たな取り組みが求められます。エネルギーの安定化は、ピーク時の使用を抑え、エネルギー使用の最適化を実現することが重要です。
最近では、家庭やオフィスを初め、商業施設等でエネルギー管理システムを用いたスマート化の動きが進んでいますが、こうした施設が単体でスマート化を進めるだけでは効果は限定的です。ICTを活用し、これらを束ねて地域でエネルギーの最適化を進めれば、より高い効果のスマートシティーにつながります。エネルギー供給においても、地域内でのコージェネレーション設備や再生可能エネルギー等を利用すれば、地域内の雇用の拡大や活性化等にもつながります。
現在、都の進めている取り組みは、将来のまちづくりとして期待されているスマートシティーの実現に向けたステップであると考えますが、今後どのようにスマート化に向けて取り組んでいくのか、ご見解を伺いまして、私の質問を終わります。(拍手)
〔知事猪瀬直樹君登壇〕

〇知事(猪瀬直樹君) 田中朝子議員の一般質問にお答えします。
東京の国際性を高め、世界から人が集うための政策展開についてでありますが、東京は現在、世界をリードするフロントランナーとしての地位にありますが、その活力の源は、国内はもとより、世界中から集まる多様な人々が生み出すエネルギーにもあります。
例えば、東京を訪れる外国人旅行者数は、二〇〇〇年の二百七十七万人が昨年は五百五十六万人へと倍増していますが、オリンピック・パラリンピックが開催され、世界の注目がより一層東京に集まるということで、二〇二〇年には一千五百万人を目指したいと思っております。
この実現のために、東京と世界の接点となる羽田空港の機能強化や、横田基地の軍民共用化の実現に取り組むとともに、外国人も快適に滞在できる都市を目指し、案内サインや飲食店メニューの多言語対応など、あるいはコンビニの表示などを含めて、ユニバーサルデザインのまちづくりを進めていきます。
こうしたハード、ソフト両面にわたる取り組みにより、今後ますます多くの人々に東京を訪れてもらい、世界における東京のプレゼンスを高めていきたいと思っております。
なお、その他の質問については、関係局長から答弁いたします。
〔財務局長中井敬三君登壇〕

〇財務局長(中井敬三君) 地方法人特別税、いわゆる法人事業税の暫定措置についてでありますが、そもそもこの措置は、税制の抜本的な改革が行われるまでの暫定的な措置として導入されたものであります。
したがいまして、平成二十六年度税制改正において、当初の約束どおり、この暫定措置を確実に撤廃し、地方税として復元するよう、都議会の皆様のご協力をいただきながら、国に強く働きかけてまいります。
〔スポーツ振興局長細井優君登壇〕

〇スポーツ振興局長(細井優君) オリンピック・パラリンピック関係の三点のご質問にお答えいたします。
まず、寄附についてでございます。
二〇二〇年東京大会を成功に導くためには、都民、国民の皆様のご協力が必要不可欠でございます。その中でも寄附は、大会を財政的に支えるだけでなく、都民、国民の参加意識を高めることから、都民、国民の皆様からのご要望に沿う寄附の受け皿をつくっていくことが非常に重要であると考えております。
一九九八年、長野オリンピックでは、大会組織委員会への寄附として、全国の企業、団体、個人などから寄附が集まり、その総額は四十八億円以上にもなったこともございます。
都においては、緑の東京募金や都立公園における思い出ベンチなど、都民の参加意識を高めるさまざまな工夫を行ってきた実績がございます。
そういった事例も参考にしながら、二〇二〇年東京大会においても、参加型の寄附のあり方について検討してまいります。
次に、二〇二〇年大会の開催時期についてでございます。
まず、オリンピックの開催時期については、IOCの規定により七月十五日から八月三十一日の間で設定することとされております。
また、オリンピックとパラリンピックを合わせて六十日以内で実施することも定められております。東京はそれに基づき、オリンピックは七月二十四日から八月九日まで、それに続くパラリンピックは八月二十五日から九月六日までを開催期間といたしました。
この時期は、学校等の夏季休暇に当たり、ボランティアや子どもたちなど多くの人々が参加しやすいことや、公共交通機関や道路が比較的混雑していないこと、また、ほかの大規模な国際競技大会と重複していないことなどから、開催期間の設定については適切なものと認識しております。
最後に、気候への対応についてでございます。
オリンピック・パラリンピックなど大規模なイベントを開催する際には、気候や天候に十分配慮して計画することが重要と認識してございます。
日本では、二〇〇七年、大阪世界陸上など、夏の大規模イベントの経験を有してございまして、例えば暑さ対策としては、競技時間を朝や夕方に設定し、会場内に日陰を確保するなどの対応を検討しております。
今後、庁内関係部局はもとより、会場施設の管理者や競技団体その他の関係者とも十分協議し、夏開催の課題とその対策について検討を進めてまいります。
〔環境局長長谷川明君登壇〕

〇環境局長(長谷川明君) エネルギー利用のスマート化に向けた取り組みについてでありますが、ピーク電力の平準化や節電等のためには、家庭や企業などにおいて、電力使用の見える化を図り、需給制御等の仕組みを普及することが重要であります。
このため都は、燃料電池や蓄電池等を活用したスマートハウスの導入を後押しする補助制度を既に開始しており、また、防災力の強化にも寄与するオフィスビル等への分散型電源の普及拡大も推進しております。
さらに、オフィスビル集積地におけるエネルギーの有効活用の実現可能性に関する調査を一昨年度から継続して実施しております。
今後とも、こうした施策の展開により、エネルギー利用の効率化、最適化を促し、スマートエネルギー都市の実現に向けて取り組んでまいります。